2008-01-01から1年間の記事一覧

『祈りの痕跡』展 トークショーから知る白川静

ちょっと前に参加した 松岡正剛と浅葉克己のトークセッションメモ。文字とは「祈りの痕跡」である、 という話から白川静の功績について。後漢時代の「説文解字」の解釈を 甲骨文字の成り立ちからくつがえした 白川静はひたすら独学。60歳で初の著書『漢字』…

知の先住民

2.知の先住民(前回の続き) トークショー後、参加者で編集工学研究所の方と 本をリコメンドする「人」のあり方について話す。 (自分のセッションの時にも参加されていて2度目)情報が増えた時代には、 目利きが評価者がいる。評価者は第一線のファンであ…

【読書のメタ認知】未来形の読書術(石原千秋)

MOTのトークショーでnumabooksの内沼君と Review Japanの澁川さんの話を聞いてきた。今、という時代の中でどのように本は 流通するか、させるか。そこに批評やリコメンデーションはどう役立つか。本とウェブの双方から、ユニークな活動を続ける 両者の話は興…

書くことについて『文章のみがき方』(辰野和男)

書くことについて考え始める。仕事と自分の課題と 向き合うタイミング。僕は「文章がすきです」と 言われると、とても嬉しい。なぜか。じぶんの分身としてのテクスト、 作品としての思い入れもある。けれど、なによりも経験したこと、 考えたことのログ、軌…

だれかのための、本とじぶんとコンテンツと。

今日の決意は、もっと 本の紹介をしていこうと。自分なりの コンセプト、スタンス、切り口。それは、紹介なのか提案なのか はたまた役に立つノウハウなのか。本の可能性をどのように引き出して、 いち本読みとしてだけではなく、 つくることを手伝う側として…

【人ハブとしてのブログ】『小さなニュースに火をつけて売る!』 (松本拓也 )

著者より献本御礼。電通→アクションクリック代表を経て、 ブログプロモーション企業EAの代表。夫婦二人で大手から中小企業まで 幅ひろく手がけける。個人的には、夫婦二人というスタイルが注目の部分。 友人いわく「21世紀型夫婦経営」というもの。広告は多…

【世代間コミュニケーション】『職場を悩ます ゆとり社員の処方せん

著者より献本御礼。池谷さんは、社会人のキャリア開発から 全国の小中高までの「総合的な学習の時間」の キャリア開発から指導まで行う現場教育のプロ。池谷さんの所属するウィル・シードは、学生時代、 会社の立ち上げ当初にインターンをさせていただいた。…

【動いて考える】『考えないヒント』(小山薫堂)

アイデアを生み出すスタイルづくりにおすすめの一冊。去年、スクーリングパッドのデザインコミュニケーション学部4期 に参加していた。魅力的な人の話を聞き、人から刺激を受けつつ、 ロールモデルを再考、模索する試みだった。そこで、はじめで小山薫堂さ…

【夫婦さがしの旅】『ねじまき鳥クロニクル』(村上春樹)

2年に1度、8年間で4回ほど読み返している長編小説。4回目は、新婚旅行の時に読みなおした。あらためて、これは夫婦の物語だった とわかったような気がした。ある日、自分の奥さんがいなくなる。 そこから探すとは別のかたちで物語は進む。もっとも近くの人が…

【夫婦という現実】『街場の現代思想』(内田樹)

夫婦の関係をめぐる2冊目。●内田樹『街場の現代思想』最近、文庫になりました。この一冊は「みたくない現実」と 「語りたく無い真実」をえぐり出しています。ここまで言ってしまうのか、と。・・・引用 結婚は快楽を保証しない。むしろ、結婚が約束するのは…

【夫婦という関係】『いくつもの週末』(江國香織)

たまには、やわらかいものも。「結婚を、というよりも夫婦をめぐる3冊」その1。ある人を単体で語るならひとつの物語で終わる。しかし、その人にもう一人加えて、 関係を描くと、違う角度でみえる。この関係の最たるものが、 夫婦ではないだろうか。その人の…

【しごとの原理】『ビジネスに「戦略」なんていらない』(平川克美)

戦略、ということばには なにか知的な魅力がある。相手を攻略するための手段であり、 知力がものを言う世界の戦いかた。・・・けれど、この言葉に踊らされる前に 日々、じぶんのやっていることを見直す。出会い、話す、アイデアを練り、 商品をつくり、お客…

【キャラの社会学】キャラ化するニッポン(相原博之)

世の中の事象をキャラで切った本。 すでにネット上の空間で、メディアで 自分をキャラとして機能していることを意識 している人はどれくらいいるだろう。 読後の感想として、 キャラとは、自分を商品化してウェブという市場で 「交換可能な自己をつくりあげ…

「早くオトナになれよ」的マンガリスト5冊

最近、成長よりも成熟ではないかと考えている。未熟の自覚からくる自立と成熟の強制は、 大人に限らず、こどもにもやってくる。「早くオトナになれよ」もっと言うと、 「いつまでも、大人にだまされる子どもでいるなよ」 というメッセージでもある。自身が成…

【生の温度】『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』ランス アームス

自転車に乗っている。学生時代に京都にいたことで、1日のうち1時間以上は 自転車の上で過ごしてきた。今もそれに近い。社会人になって、4年ほどBianchiの クロスバイクで、都内をずいぶん走った。最近は、GIOSのロードバイクを買って、 これがバイクか、とい…

【適量の義務】『真昼のプリニウス』池澤夏樹

5年くらい前から 毎年見直している文がある。つど、理解の意味合いが変わる。変わらないテキストから変化をつかむ。 ▼『真昼のプリニウス』池澤夏樹より・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…

【生活が作品】『私塾のすすめ』(梅田望夫・斎藤孝)

友人とロードバイクで多摩川を走る。 半日かけて80kmほど。風をきり、にじむ汗と日差しの中で ペダルを漕ぎながら考えた。自分の興味はその人の 生き様とスタイル。そして、それは変わらない芯と 変わりゆく成長の過程を、時間軸で リアルタイムに追い続ける…

ハルキモード

このブログではお久しぶりです。長期休暇でオランダとギリシアに 行ってきました。今回持っていって読んだ本は3冊『イリアス』 『ねじまき鳥クロニクル』(再読4度め) 『走る時について語る時に僕の語ること』(2度目)年に1度くらい、ハルキモードになる。…

モードチェンジのためのつぶやき

5月はブログを更新していない。おそらく、近くタイトルを変えて もっとカジュアルに、ラフに 好き勝手なコンテンツにするつもり。少しパブリックを意識していたが、 ブログである限りは個人の戯れ言。そのくらいの立ち位置の方が、 じつはいいたいことを言え…

シンプルライフ『持たない暮らし』下重 暁子

【シンプルライフのヒント集】手帳Moleskinでも有名な イギリスの作家チャトウィンは 「トランク一つの人生」だった。南米、西アフリカ、オーストラリア、 プラハなどを渡り歩く中で移動の 中でものを書いた。Moleskinの手帳に全ての取材を 記録して、多くの…

手紙の変わりに手紙本(ブックレター)。

結婚式の2次会をやる。いつも座禅をしているお寺を借りて、 人数制限のために「一人一芸」 というルールで募集。「多士済済」というコンセプトで歌、 紙芝居、ワークショップ、携帯投稿ゲーム、 クラシック演奏など多彩な発表がある。そこで、自分が参加者に…

前提から「利益の方程式」(勝間和代)?

大きな組織にいた時のストレスは、 自分の出している価値、つまり 利益が見えなかったこと。会社はなにはともあれ、まずは 利益を出すことが目的の集団。大きな案件や開発の仕事をしていたことも 原因だが、それよりも、利益以外の非合理性に 対する不満があ…

本のレシートは残しておく

本は、読んだ日を記録する。できれば、読んだ場所も書いておく。すると、あとで読み直した時に、 思い出せることの多さに驚く。本は読んでいた自分の気分や 状況という周辺の情報をもつ。飲んでいた珈琲のしみですら、 なにかを物語る。・・・こうしてもうひ…

購買心理『なぜ通販で買うのですか』斎藤駿

【購買心理=自己保存と自己顕示】インターネット以前、情報だけで ものを売っていたしくみ、通販。見えない商品を、売り手の言葉 だけで信用させて、売る。このしくみと歴史を、なぜ人は ものを買うのか、という消費と 購買の心理について語る書。著者は130…

『LIVE HACKS!』(大橋悦夫)

【時間管理度をワークでチェック】本書は時間の使い方について 問いとワークで実践させる。問いにこたえながら、自分の 時間管理についての甘さや 勘違いに気づくことができる。・・・引用日々ノートに課題を書き出す 消える、残る、言える、始まるにわかれ…

対談本2『脳と日本人』(茂木健一郎、松岡正剛対談)

松岡正剛と茂木健一郎の対話。一貫したテーマではなく、 散文的に広がっていくスタイル。個人的に一番印象に残ったのが 松岡正剛の生い立ちからと問題意識。対話の中で聴かれないと出てこない 3つの体験談。・・・1.吃音少年だったことが、アタマの中を 言…

Coyote特集:井上雄彦 「バガボンド、水の里、火の国へ」

『coyote』は好きな雑誌。相手を選び抜いて、継続して インタビューし続ける。『switch』は昨年20年を迎えたが 新井敏記さんの編集者魂あっての雑誌。 個人という点ではなく、 時間軸を加えた線としての発信。 桜井和寿、桑田佳祐、池澤夏樹、 文化を生み出…

『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』(村上春樹、河合隼雄)

対談本ベスト3を紹介。まずは、『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』。 人生で初めて読んだ対談本であり、 今のところベストと呼べるだけの インパクトがあった。 単行本が出た10年以上前から、 何度読んでも発見がある。 (ブログで紹介するのも4度目) 身…

対談本の読み方

対談本のキモは、本人が一人では 絶対に語らないことを聞ける(読める)こと。対話は、自発的暴露の場所だ。一人では語らない、語れないことを 質問ややりとりから、出てきた場合。対談本は情報が分散するので 読みづらい場合が多い。が、逆に言えば分散から…

心理×交渉『FBIアカデミーで教える心理交渉術』ハーブ コーエン

【交渉心理=時間×情報×力の使いかた】交渉術がある、と知ったきっかけは 学生時代に読んだ『ハーバード流交渉術』。自分の過去の行動を論理的に説明される。心理というルールにのっとって 自分が踊らされていることに気づく。・・・大事なことは、だますこ…