【キャラの社会学】キャラ化するニッポン(相原博之)

キャラ化するニッポン (講談社現代新書)

世の中の事象をキャラで切った本。

すでにネット上の空間で、メディアで
自分をキャラとして機能していることを意識
している人はどれくらいいるだろう。

読後の感想として、

キャラとは、自分を商品化してウェブという市場で
「交換可能な自己をつくりあげること」と再認識。

じぶんの商品化、という
世の中をい生き抜く作法であり、振る舞い。

・・・

ウェブ上の振る舞いにはキャラがいる。

じぶんが思っていることと、
他人に求められていること。

では、どんなキャラがいいのか? どうすればいい? 
という問いは本書から外れるので、『ウェブ時代をゆく』で。

・・・・

コミュニケーションが変化している。
「キャラがない=居場所がない」
というキャラをアイデンティティに託したやりとり。

大きな物語がなくなって、
個々人のキャラが、コミュニケーションする上で
重要性が増している、というか強制されている。

・・・

なるほどと思ったこと。

ブログ=
物語階層構造を排除したデータベース型の消費形態
という定義。

ここから「データベース消費」に展開して、
ipod、i-tunesを例に大きな物語がなくなったというのは
あらためてなるほど、と。

無秩序化がすすむ中で、より個人に、キャラの役割が
増している。

・日本人のキャラクター所有率は79%

・キャラクターの役割
 やすらぎ、庇護、現実逃避、幼年回帰、存在確認、変身願望、活力、気分転換

社会学として読むこともいいが、
自分の立ち居振る舞いを考える本として
読む方が切実かもしれない。