書くことについて『文章のみがき方』(辰野和男)

書くことについて考え始める。

仕事と自分の課題と
向き合うタイミング。

僕は「文章がすきです」と
言われると、とても嬉しい。

なぜか。

じぶんの分身としてのテクスト、
作品としての思い入れもある。

けれど、なによりも経験したこと、
考えたことのログ、軌跡を肯定されることが
おおげさかもしれないが、自己承認になっているから。

承認欲求を認め、何をもってこれを得ているか、
得られるかを知る。

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mixiや携帯メールしかり。
ことばだけで交換している。

媒介するものとして、言葉の役割は大きい。

ものを書くときに大事なことも、
この言葉(語彙、言語エンジン、OS)を
どのようにつくるかにかかっている。

それは、書くことだけではなく、話すことも。

つまり、よい言葉をもつこと。

美しい文体をもつ努力をすること。
自らが選んだ言葉において、美学があること。

それは脳ではなく、身体的なものでもある。

この言葉づくりに書くことと本は役立つとおもう。

・・・

ということで「文章がすき」と言われると嬉しい。

「どこが?どいういうところが?」と喜んで、
読者に聞いてしまう。こうやって、今まで
多くの出会いを得てきた。

時に仕事になり、時に忘れられない縁になる。

本を書いたら、こういう反響が帰ってくるのか
ということを少しでも著者の立場で体験できる。

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一方で、何かを期待せずに
書き続ける難しさも感じている。

「我」が、うるさくない文章。

書くことはとても、奥が深い。

紙とペンで書かなくなってからの
ことばの質の変化にも敏感になるべきで。

さらに文を書く ことの本質は、
「雪かき」ではないかと、飛躍する。

この話は村上春樹の話に飛ぶのでいずれ。

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まずは、友人の太郎君と勉強会を始めることにする。
 ▼言葉のアイディア、文体スタディ
 http://www.tarosite.net/2008/07/post-715.html

そして、文章を考える一冊といえばこれ、
と思って読みかえす。

よしもとばなな村上春樹から井上靖串田孫一まで、
日本の名文家の文章エッセンスを凝縮して解説した一冊。

『文章のみがき方』
文章のみがき方 (岩波新書 新赤版 1095)