2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

わかれぎわに、ふり返る

ランチでイタリアンのお店を出るとき 店員が玄関から見送ってくれた。道の角を曲がるまでだった。つい店を出て数秒後に、つい後ろを振り返る。まだいる。気持ちがなごむ。・・・ 「さよなら」と言ったあとに振り返る。最近はあまりないなかった。いわんやラ…

新しいけれど懐かしいなにか

考えがにつまる、気持ちに余裕がない、そんなときに ふとラジオから懐かしい歌が流れてくる。気持ちがなごむ。日常の中にスキマをつくる、偶然の余白をのこす。選んだ音楽だけではないリストが、ラジオにはある。▼ 好きなリストの外で 新しいけれど懐かしい…

らしさのフィードバック

あるアイデアを友人に話したら、おもいっきり反対された。要は「らしくない」のだ。とてもいい発見だった。こういうことは意外と自分では気づかない。らしさは「らしくないところ」から見えてくる。そして、らしくないところは じぶんよりもまわりの人が見て…

無数の選択肢を前に、さらに惨めな気持ちになってしまった

『自分をいかして生きる』は、 『自分の仕事をつくる』の著者、西村佳哲さんの二作目。働くことと生きることをなるべく重ねて考える。言葉のひとつひとつに重みがある。何度も読みたくなる本。ゆっくり、少しずつ紹介していきたい。・・・ 読んでいて「あぁ…

難しい言葉を使うとごまかすことになるから

文章を読みかえして漢字がおおいときは、 たいていなにかをごまかそうとしている。・・・劇作家の平田オリザが谷川俊太郎との対談で。 漢字や漢語を使った瞬間に何か自分を権威づけたり、 それがわかる人とわからない人を区別したり そういう作用が働く・・…

できる限りものを持たない時代

新しい生活スタイルを営む人に興味がある。その一人、映像作家でDJの高城剛さん。『サヴァイヴ!南国日本』や『サバイバル時代の海外旅行術』 ですこし先の時代の生活提案をしている。そうかと思える思想がある。 「20世紀はモノやお金など全てを『集める』…

魂が飢える。

ふと、将来が不安だった25のときを思い出す。 問いよりも恐怖が専攻していた。 現状を説明する余裕はあまりない。・・・池澤夏樹さんの「二十歳の頃」というエッセーから。 何も決まっていない。 それは恐ろしいことだ。 自分は何者にもならないかもしれな…

うまいものをゆっくり食べるために働くのが本当なのに

セゾングループの元代表、堤清二さんと 社会学者の三浦展さんの対談本『無印ニッポン』。本書の中で、堤さんの子どもが フランス人から言われたこと。 「(日本人は)なんで食事の時間も惜しむほど、忙しく働くんだ。うまいものをゆっくり食べるために働くの…

井上雄彦さんいわく「ストーリーには興味がないんです。」

今日9/15の「NHK プロフェッショナル 仕事の流儀」 に出演した井上雄彦さんの言葉。 「ストーリーには興味がないんです。 どう転んでもキャラクターという人間を描いていれば、 なにをしようが、しまいが、ストーリーやドラマになる。」 ストーリーは、キャ…

無名でもリスペクトされている人

ガイドブックやインターネットには レストランや宿の情報はあるが、 人の情報は載っていない。全国的には無名でも、その土地ごとに リスペクトされている人もたくさんいるはずだ。僕はこれからの旅でそんな人々と出会っていきたい。「旅のルール」中田英寿(…

「だからおまえらの世代は」と繰り返されないために

主に上の世代から下の世代に 向けられる世代批判について。世代間の批判をするorされるときは、 対立構造で語るべきではないと思う。なぜなら、下の世代の結果は上の世代の原因だから。今の世代は、過去の世代の結果。因縁果報、因果応報。世代は、独立した…

「人生」ということばを使うことができなければ、

ことばのサイズについて。 人生ということばを使うことができなければ、 語ることばは穏やかになります。怒りを表現するためのものとして ことばが使われなくなれば、 そのことばは、端正になります。 『大人にはわからない日本文学史』(高橋源一郎) こと…

自分の説明が言い訳に聞こえたら。

自分の説明が、言い訳に聞こえたら この言葉を思い出すようにしている。 説明すればするほど、立場が弱くなるのが普通です。<論議というものは、およそ理由を尋ねたほうが勝ち> ソクラテスもこう述べています。『ラクをしないと成果は出ない』(日垣隆) …

1語に出会うために、1冊が要る

1冊で必要な部分は2割ほど、と言われる。のこり8割は言いたいことの理由づけ。ある編集者は「1冊を読むときは1行、 もっと言えば1語をみつけるために読む」という。なるほど。大事なことは、必要な量の割合ではない。その編集者いわく 「1語に出会う…

mixiの足あとにおもうちょっとした浪漫について

ふとmixiの足あとをみるとなつかしい人が。3年ほど前に会ったきり。 (長い人は小学校以来もあるがそれはまた別)時を経た変化や節目もネットで共有できる。転職、結婚、海外生活。変化の中で「また会えるかな」というあわい希望。・・・再会は、今の歩みの…

多様性というはてしない違和感

多様という言葉は、わかりづらい。 「多様なニーズ」などという言葉は、 実は多様でも何でもなくて、 ただ供給側が消費者の欲望を刺激するために 作り出した虚構であると思う。ほんとうは、消費者のニーズは多様化などしていない。 ただ過剰な商品が過剰な欲…

ひとつの記録、複数の記憶

知人のブログで父親の死について書かれていた。葛藤や後悔、偲ぶ気持ちの痕跡が文字にのこる。・・・ 文化というものには「記録の文化」と「記憶の文化」というものがある。 記録の文化は文書となり絵巻となり建築となってしっかりと歴史の一時期を告げてい…

生命力の確かめかた

自らの死がよぎる瞬間。・・・友人と海に行く。テトラポットもブイもない岩場で泳ぐ。すこし、遠泳をしようとひとり沖に向かう。気がつくと正面の視野はすべて海。振り向くと陸が遠い。海は行ったら戻る必要がある。陸に体をむけて引き返す。・・・少し時間…