「早くオトナになれよ」的マンガリスト5冊

バガボンド―原作吉川英治「宮本武蔵」より (1) (モーニングKC (619))


最近、成長よりも成熟ではないかと考えている。

未熟の自覚からくる自立と成熟の強制は、
大人に限らず、こどもにもやってくる。

「早くオトナになれよ」

もっと言うと、
「いつまでも、大人にだまされる子どもでいるなよ」
というメッセージでもある。

自身が成熟しないと、生きていけない環境に
身を置いていること。

昔の教養小説や成長物語とも少し違う。


・・・

成長をたとえると、「勇気・友情・努力」の『ジャンプ』から
生まれたドラゴンボールスカウターで測れる戦闘能力。

同じ基準で、そのキャラ単体が強いかどうか、だけ。

今は違う。

同じ、『ジャンプ』でも『ワンピース』や『ハンターハンター』は
才で競い、チームを組む。背景も、国家論や差別、奴隷制
歴史の存在意義まで幅広く扱う。善悪の対立だけではない。

そういう時代の新しい物語は、『ジャンプ』の中ですら
変化してきている。だから、当然、生活やキャリアや
そのほか、も変化してくる。

ロスジェネと言われるまでもなく、もうすこしスタイルの
つくりなおしや、問い直し、を考える頃なのだろうな。

・・・そこでのおすすめ本、といえば。

●『ワンピース』
●『ハンターハンター
●『バガボンド
●『リアル』
 身体と心の成長過程を描く。

●『おやすみプンプン浅野いにお
 だれもが持っている(はず)の小、中学生時代。
 恋愛、家族、友達にまつわる闇、ダークサイドを、
 シュールに描く。

 (ある会話)
 A「人生ってなんだろう?」
 B「・・・。償いかな?」
 A「それ今度、合コンで使わせてもらいます」

もっとダークなのは『ヒミズ』(古谷実)で、
リアルなのは『ホムンクルス』(山本英夫)。

と、ここまで書いてみて小説よりも、マンガばかりかと。
原題の小説で、成熟をテーマにした作家というと
『デッドエンドの思い出』『アムリタ』(吉本ばなな)かな。

文学では
●『海辺のカフカ
 世界一タフな15歳を目指すの主人公の成熟の話。

●『ハックルベリー・フィンの冒険
●『ムーンパレス』 ポール・オースター だろうか

おやすみプンプン 1 (1) (ヤングサンデーコミックス)