【夫婦という現実】『街場の現代思想』(内田樹)
夫婦の関係をめぐる2冊目。
最近、文庫になりました。
この一冊は「みたくない現実」と
「語りたく無い真実」をえぐり出しています。
ここまで言ってしまうのか、と。
・・・引用
結婚は快楽を保証しない。
むしろ、結婚が約束するのは、エンドレスの「不快」である。
だが、それをクリアーした人間に「快楽」をではなく、ある「達成」を約束している。
それは再生産ではない。「不快な隣人」すなわち「他者」と共生する能力である。
おそらくはそれこそが根源的な意味において人間を人間たらしめている条件なのである。
・・・
幸福を語るには、不快という不幸からみるしかない。
地に足をつけて、日常の中での生活感覚から
生まれる「街場」の思想。
いまという時代の思考の錨としても有用な一冊。
言っていることは、身にしみるまでには
まだ時間がかかりそうだけれど、理解は
あとからやってくるということで。