『祈りの痕跡』展 トークショーから知る白川静

漢字―生い立ちとその背景 (岩波新書)


ちょっと前に参加した
松岡正剛浅葉克己トークセッションメモ。

文字とは「祈りの痕跡」である、
という話から白川静の功績について。

後漢時代の「説文解字」の解釈を
甲骨文字の成り立ちからくつがえした
白川静はひたすら独学。

60歳で初の著書『漢字』を岩波新書で出した時は、
学者からの反発を受けつつも、漢字の成り立ちに
ついての自説を説く。

・・・

白川静がやったことは、甲骨文字を
ひたすらトレースしたこと。

模写は2万枚を越えたという。

そうやって、文字を身体にしみこませ、
その時代に使われていた人の状況を
浮かび上がらせる。

写経もそうだが、模す、写す、というのは
何か呪術的な感じがする。

始めて中国に行ったときに圧倒されたのは、
文字の存在感。そこには歴史があり、制度があり、
権威がある。人の歩みと思惑が刻まれてきた跡。

歴史に刻まれた文字のひとつひとつに、
とりつかれた様な世界観。

・・・

その人の歴史に触れるには、まず文章を
身体にしみこませる、というのがいいなと。

読み込むだけではなく、書き写す。
それも一冊まるごと、くらいの。

ということで、模写ノートを準備して
好きな本の赤鉛筆メモを書き写すことを
習慣化してみます。