無数の選択肢を前に、さらに惨めな気持ちになってしまった
『自分をいかして生きる』は、
『自分の仕事をつくる』の著者、西村佳哲さんの二作目。
働くことと生きることをなるべく重ねて考える。
言葉のひとつひとつに重みがある。
何度も読みたくなる本。
ゆっくり、少しずつ紹介していきたい。
・・・
読んでいて「あぁ」とおもう箇所があった。
僕には20代後半の頃、自分はなにをしたいのか
なにになりたいのかといったことを、
延々と紙に書き出して考えていた時期があった。自分の能力を客観的に記述してみたり、
過去の仕事で自分が嬉しかった時のことを洗い出してみたり。それをつづけるうちに、仕事に関する無数のアイデアが出てきた。
でも、どれもはじめなかった。
どのアイデアも「良い」と思える。「いけそうだね」と思う。
でもどこかさめていて、決定打というか衝動に欠ける。
思わず腰があがるとか、手が出てそれを掴むような動きは
生まれてこなくて、無数の選択肢を前に、さらに惨めな気持ちに
なってしまった時期があった。『自分をいかして生きる』西村佳哲
自分の中に残る文章だったので。
>無数の選択肢を前に、さらに惨めな気持ちになってしまった時期
こういう時期が、あった。
求めていたものが手に入ったあとの焦燥感。
飢えが満腹になると、また飢えが恋しくなる。
・・・
この引用の前段に、
「はじめればはじまる」とあった。
今、じぶんはどこにいるかを問う。
はじまる前には、著者の言うような時期があった。
はじまっているからこそ、この引用の重さがわかる。
○参考
腐る可能性と水脈掘り
http://d.hatena.ne.jp/sotacafe/20081204