外からやってくる力に静かに耐えるための「強さ」

「つよさ」は10代前半からのテーマ。

海辺のカフカ』(村上春樹)のやりとりから、
つよさの意味をまなんだ。

・・・

主人公の田村カフカくんは14歳の少年。
佐伯さんは50代の女性。

佐伯さん「あなたはきっと強くなりたいのね。」

カフカ「強くならないと生き残っていけないんです。」

佐伯さん
「あなたはひとりぼっちだから。
でもそういう生き方にもやはり限界があるんじゃないかしら。

強さを壁に自分を囲い込むこともできないし、
強さとは原理的に、より強いものに破られる。」

カフカ
「強さそのものがモラルになってしまうから。

僕が求めているのは、勝ったり負けたりする強さじゃないんです。
外からの力をはねつける壁がほしいわけでもない。

欲しいのは、外からやってくる力を受けて、
それに耐えるための強さです。
不公平さや不運や悲しみや誤解や無理解
−そういうものごとに静かに耐えていくための強さです。」

「それはたぶん、手に入れるのが
いちばんむずかしい種類の強さでしょうね。」

村上春樹海辺のカフカ(下)』より

「外からやってくる力を受けて、それに耐えるための強さ」

ほんとうの強さ、とはなにか。

じぶんがされて「いや」なことを人にしない
というシンプルな基本。

そしてその「いや」を逃げたり、他人に渡さずに
静かに耐えること。

表面的な強さではなく、こういう強さにあこがれ、
考えさせられる。(いまもかんがえている)


強さの意味を問う