メモの技術〜断片を集める


「すべての文章は<メモ>という断片からはじまる」
(『文章表現400字からのレッスン』梅田卓夫)

文章はリニア(線形、直線)だが、
思考はノンリニア(非直線的)だ。

まずは断片をかき集める。

メモの作業手順は以下。

1.ノートの真ん中にテーマを書く

 メモはなるべく白紙がいい。左から右に引かれた横線は、
 発想も引きずられる。なるべく無地か縦横に入ったものを。

2.思いついたことを書き出す

 そのテーマ(タイトル)から、思い浮かんだ言葉(単語)を自由に書く。
 文章にすることは考えずに、自分の思考の流れを追う。

 発想を広げるコツは、自分でつっこみを入れること。

 ・「そういえば」(過去の記憶から)
 ・「そうなると」(将来を予測する)
 ・「しかし・・」(逆説を想定する)
 ・「たとえば?」(具体的に説明する)

3.Why-What-Howでまとめる

 文章の最低限の組み立ては、Why-What-How。

 ・Why(なぜ、なんのために)
 ・What(なにを=テーマ)
 ・How(どのように、方法)

 Whatは固定。ポイントはHow。
 このブログでも▼を入れて「どうすればいいの?」という
 ナビゲーションを入れるようにしている。

 今回の場合のメモはこうなる
 
 ・Why →文章をつくるために
 ・What →メモを
 ・How →白地のノートに書き出してまとめる
 
 これが文章の「骨」。この骨に具体例や引用といった「肉」をつけて、
 伝えたいことを膨らませる。

・・・

メモは思い浮かんだこと、追いかけていくことだ。
話がそれてもどんどん進める。

記憶を書きとめるためには表現力、言葉力がいる。
メモを書き出すと文章の輪郭が見えてくる。

逆に見えてこないのは、まだ自分の素材が足りないということでもある。

・・・

メモは記憶の再構成だ。記憶は言葉にすることで作られる。

HistoryはHis Storyと言われるように、
人が語る言葉が、文章という物語になる。

その原点に、メモという断片の記憶の集積がある。

・・・

まずは、記憶の断片を集めてみる。
言葉にならなければ、その感覚やその状況、気分を記録しておく。

その上で、伝えるべきことをWhy-What-Howの型でまとめる。

テーマからそれて意外なものが見つかったときほど、
後で書く文章もおもしろくなる。

もちろん、時間をおいて読みなおすことも忘れずに。
メモは思考を保留するツールでもある。


メモを集める。記憶の断片を探り、書き出す。

【編集後記】

今日は都築響一さんの話を聞いてきました。

男のロマン」を探求することの意味について
考えさせられました。いつか本を紹介しますね。