未知を書く。「メモ」からはじまる。

文章の書く一番のキモは、メモのつくることだ。

「書きかた」というと、どうしても原稿用紙や
テキストエディタに何かを書き込む作業を思い浮かべる。

が、実はそれ以前に2段階ほどの手続きがある。

それが、「現場」と「メモ」である。

書くプロセスを3段階で分ける。

1.現場に行く(生の体験をする)
2.メモを作る(記憶を構成する)
3.文章を書く(おもいを伝える)

今回は2について。メモの技術に入る前に、
「メモをつくり、文章を書く」目的と書くことを再定義。

私たちがものを書くのは、「もうわかっている」ことを
出力するためではなく、「まだ知らないこと」を知るためです。

自分が次にどんな言葉を書くのか、それがここまで書いた
センテンスとどうつながるかが「わからない」ときの
あのめまいに似た感覚を求めて、私たちはことばを
手探りしているのです。

『態度が悪くてすみません』(内田樹

もうひとつ。

文章を書くという作業は、すでにどこかに(頭の中に?)在る
「内容」というものを、文字に置き換えていく仕事だと、
誤って考えられることがありますが、実際はそうではありません。

「内容」は書かれる前にどこかに在るものではなく、
書くという作業によって同時進行的に少しずつ作られてくるものです。

だから「文章を書く」とは「考える」こととほとんど同じ作業です。

漠然とではなく、もっとも厳密に考える、
それが「文章を書く」という仕事です。

この「考える」作業を支えてくれるのが<メモ>です。


『文章表現400字からのレッスン』(梅田卓夫)

この二つは、ものを書く=創造することの本質です。

既知ではなく、未知を言葉にすること。
書くものは、書く中でわかる。

そのための一歩として、メモがある。

「すべての文章は<メモ>という断片からはじまる」(同書)

次はその方法について。


・書くものは、書く中でわかる
・すべての文章はメモからはじまる

文章表現400字からのレッスン (ちくま学芸文庫)

【編集後記】
この時間にパソコンを開けるは久しぶり。(いつもは読書)
できれば朝型にシフトしたいこのごろです。