体温の低い時代

人間の体温を高くしたのは、活字なんですよ。
低くしたのは、テレビやウェブ。
だってね、かっこいいことをいってみても、
テレビが全部見せちゃうし、ウェブがバラしちゃうから。


要するに水を差されるんですよ。
情報が活字だけのときは、
余計なものは隠されていたから、
なんでも美化したままでいられたんだよね。


『広告も変わったねぇ。』天野祐吉

体温が低いことがわるいのではなく
今のとらえ方としてのコメント。

ウェブは「水をさす」だけだろうか?

僕は、水をさす一方で
お湯でもあると思う。

小さな声で語られる言葉や
一日のつぶやきの中に「ほっ」
とするひとことがある。

・・・
ALWAYS 三丁目の夕日」を見ていると
テレビも昔はみんなの「こたつ」だったと思う。

時を経て家族のかたちが変わって
共有する温度感も変わった。

そしてまたふたたび紡ごうとしている。

・・・

すくない情報に想像を膨らませた時代から
多くの情報を現実でそぎ落とす。

お湯にするのがウェブと、
個人の役割かもしれない。

でも、体温が低いのがダメだといってるわけじゃないんです。
[・・・]
感動の種類が違うんじゃないかな。

「感動の種類」ってなんだろう?

これからの世代に届く言葉や温度感を
時代とともに感じていきたいとおもう。


時代の温度を感じとる。

広告も変わったねぇ。「ぼくと広告批評」と「広告の転形期」についてお話しします。


【後記】
お酒で酔うことが少なくなったこのごろ。