人との距離は会話の量ではない:話しかたより黙りかた

sotacafe2009-02-20

金曜の夜の街。

人でにぎわう風景をみると
おもいだす言葉がある。

私は、現代人が失いかけているのは
「話しあい」などではなくて、
むしろ「黙りあい」だと思っている。


『両手いっぱいの言葉』寺山修司


バーカウンターで話すのがすきだ。

ジャズに耳を傾けながら
同じ時間と風景をちがう目でみる。

静かなジャズが流れるバーには
沈黙や間をつくることができた。

たぶん、これが「黙りあい」。


バーに行くと
長くつきあえる人とそうでない人がわかる。

・・・

理解しあうこと、他人との距離が近づくことを、
できるだけたくさんの言葉をかけることと
混同している人が多い。

そして言葉を重ねれば重ねるほど、
言葉が逸れているという空しい思いにとらわれる。

言葉の過剰が<出逢い>の可能性を
遠ざけるのだ。


『ことばの顔』鷲田清一

最近、バーにあまり行かなくなっていた。
黙り合いの時間がもっとあってもいいな、と。



ときには黙り合う。


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【後記】
マンガを買いこむ。