「ちゃんと考えろ!」と言われると思考停止になる理由

sotacafe2009-01-13

社会人一年目の経験。
「ちゃんと考えろ!」→「思考停止」。

なぜだろう。今ならわかる。

考えるとは、
考えることではなく「問うこと」だから。

考えないとは、問わないこと。

これを「考えない傷」と山田ズーニーさんは紹介した。
「考えることを放棄して、その結果苦しんでいる」という。
・・・

受験生を指導していた友人に言われたのですが、
学習にしても、進路にしても、
「苦しんでいることを自覚していれば、まだいい」と。
「なんとなくで生きている子たちこそ、
いま受けている傷は深いのではないか」と。


『話すチカラをつくる本』山田ズーニー

山田ズーニーさんは、文章指導をしていて「悩んでいても、
自分の内面を実感ある言葉で表現できている文章」は自由だという。
考えている文章だから。

逆に「葛藤もなく、ただ字数を埋めただけの、
その人の内面が反映されていない文章」は不自由だという。
・・・

本ブログのテーマ「自分だけの言葉で書く」とは、
内面の葛藤の表現すること、だ。

そのためには「自分だけの問い」が要る。

・・・
予備校時代、英語の西きょうじ先生から
「知性とは問いを発すること」と言われた。

衝撃だった。
10年近く経った今もまだ覚えている。

知っていることでも、問うことだけでもない。
問いを「発すること」。
・・・
問いは発した瞬間に答えに向かう。
その答えに向かう時間が長く、
スケールが大きいほど
知性はタフになる必要がある。
・・・
バングラデシュグラミン銀行を設立し、
ノーベル平和賞をとったムハマド・ユヌスは、
「貧困のない世界を創るにはどうすれいばいいか」
を世界に問うた。

・・・

「考えない傷」はみえないからこそ根が深い。
知らないことを自覚するよりも、自覚していないことの傷こそ大きい。

そのことに畏れを抱く人が、
今日もささやかに他人の声に耳を傾け、
会ったこともない先人の書物に目をやり、
大小さまざまな問いを発している。


問いから始める。答えに向かうプロセスを書く。
話すチカラをつくる本 (知的生きかた文庫)


●関連エントリ

(問いを維持する持久力について)
知的肺活量を鍛える



【後記】
半年ぶりくらいにGreeをひらく。