短く書くために:基本構文・名文をストックする

sotacafe2009-01-04

「短く書く」のつづき。

轡田さんは短く書くために
基本的構文、名文句のストックを勧める。

形から入る。基本を応用する。
基本文は小説で言えば、文章の一行目。

意外性のあるつかみで
読み手に「なぜ」を抱かせる。

文章を読ませる入口をつくる。

・・・
基本的構文、名文句を集める目的は2つ。

1.「AはBである」という文章の基本形を覚える(暗記する)

2.文章を記す呼吸やリズムを身につける

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そこで、轡田さんは最良の事例として夏目漱石をあげる。

我が輩は猫である。名前はまだない。


『我が輩は猫である』

氏はこの文章を3つの点で完璧という。

1.シンプルな構造
2. 意外性のあるユーモア(なぜ?と思わせる)
3. 漢字と平仮名の字配り(意味とかたちのバランス)

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ぼくが好きな名文も同じく夏目漱石

智に働けば角がたつ、
情に竿させば流される、
意地を通せば窮屈だ。
とかく、この世は住みにくい。


草枕

・・・

名文句のストックは文学に限らない。
和歌、短歌、俳句、川柳、詩にも限らない。

もちろん、多くの人の目に触れ、
時を経た言葉からも学ぶべき。

けれど、日常会話にもヒントはある。
ケータイメールやmixi日記の一語、一文にも名文句はある。

日々交わされる言葉の山から
自分のセンサーに触れたものを残す。

身近な短い文章には、発した人や背景という文脈がある。
より記憶に残る。



基本的構文や名文句をストックし、暗記しておく。


【後記】
新年最初の座禅。和尚さんと世間話。