来年の目標と指針を1枚で表す「ビジュアルワーク」のすすめ


振り返りとともに、来年の目標設定をする時期。
1年の計は元旦にあるが、準備は元旦の前に。

ぼくはここ数年、来年の目標や指針を
12月の上旬に立て終えるようにしている。

元旦までの1ヶ月の予備期間が目標を醸成させる。

「はじまった。さぁやろう!」の前に
「ほんとうにこれでいいの?」がいる。
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この準備ができるのは、
1年の指針を1枚で表す「ビジュアルワーク」のおかげ。

ということで、
友人と3年ほど続けているこの方法をご紹介。

これは、友人と1年の振り返りと
来年の方向性を共有するワークショップ。


■準備するもの
・切り取ってもいい雑誌(古雑誌も○)
・A1(特大)サイズの紙
・のり(スティックのりが好ましい)
・カッターもしくははさみ

■手順
1.来年の目標や方向性をイメージする、紙に書き出す
2.イメージに近いビジュアルの言葉や写真を雑誌から切り抜く
 (ページごととって、あとではさみやカッターで切りとる)
3.集めた素材をA1の紙に配置する(レイアウトを考える)
4.ノリで貼りつける
5.(必要に応じて)言葉でラベリングする、線引きをする
6.一人5分ほどでつくった絵についてプレゼンをする
・・・
トータルでだいたい3時間くらい。
時間をとって取り組む。
今年は初めて箱根で一泊した。
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このワークショップのポイントは
「来年の方向性」という漠然としたイメージをかたちにすること。
ビジョンのビジュアライズ化によって、言葉以外の思考を促す。
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ハーバード大学の教育学大学院教授で認知・教育学の第一人者
ハワード・ガードナーが、「多重知能(=Multiple Intelligences)理論」
を唱えている。

これは、人間は異なった知能・能力を持っていて
ものごとを理解し、表現するチャネルは個々で異なるというもの。

著者は7つの知能をあげている。

・言語的知能(言葉を扱う)
・論理数学的知能(数、記号、図形を扱う)
・音楽的知能(リズムと音のパターンを扱う)
・身体運動的知能(身体と運動を扱う)
・空間的知能(イメージや映像を扱う)
・対人的知能(他人とのコミュニケーションを扱う)
・内省的知能(自己とその精神的リアリティーという内的側面を扱う)
『MI:個性を生かす多重知能の理論』(ハワード・ガードナー)

ネットや紙メディアのベースは
言葉で読み、書く「言語的知能」「論理数学的知能」が大半をしめる。

それは過去の歴史も今後も変わらない。

けれどこれからは映像や動画など、
コンテンツがリッチになることで音楽や空間的知能、
さらには身体運動的知能を持った人が活躍する時代が来る。

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表現の多様性は、人間の感覚器官の活用にある。
一言でいえば身体。まだまだ表現の可能性がある。
本にも同じことが言える。
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さらにつっこめば、
これらの知能は独立したものではなく、相互の関係性
があると思っている(「共感覚」など)。
が、話が長くなるのでいずれ。
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今日の画像は、自分が今年つくったもの。

「発想を広げること、広げる軸をつくること」が、
ワークショップで見えてきた自分の課題。

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ということで、「ビジュアルワーク」のように
表現を言葉以外で行うことも言葉の手前で
考えるためにおすすめ。


イメージや言葉をビジュアル化してみる。


【後記】
富士の麓で餅つきをしてきました。
杵と臼で体をつかってやっと年末の気分が近づきました。