おもしろい文章とは

おもしろい文章を書くことは、
おもしろいことを書くことではない。

(文章を)おもしろいと読者が思うのは、
描かれている内容自体がおもしろいときであって、
書く人がいかにおもしろく思っているかを知って
おもしろがるのではない。
『日本語の作文技術』本多勝一

美しい風景を「感動した」と書いても伝わらない。
書き手が美しいと感じた素材そのものを、読者が
追体験できるように再現するべき、という。


本書では、この例として落語家が笑いを演じる話をする。

落語家は笑う場面ほど、まじめに演ずる。
まじめに、まじめを演じられることが
落語家としての実力の差だという。


では感動を文章で表現するためには、
どうすればいいか。

文章というものは、このように自分の言葉をもって対象にせまり、
対象をとらえるのであるが、それが出来あがったときには、
むしろ文章の方は消え、対象の方がそこにはっきりと浮かび上がってくる
というようにならなければいけないのである。

対象の特徴そのものが、その特徴のふくんでいる力によって
迫ってくるようになれば、そのとき、その文章はすぐれた文章といえるのである。

『文章入門』野間宏

なにかを感じたら、まず一歩ひいて観察し、
感じたことを「対象の特徴」として書く。

・・・
ただしこれは文章作法としての話。

ぼくは、ブログという主体が明確なメディアは、
「その人がおもしろいと思ったこと」、
つまりアンテナそのものがコンテンツになりうる
と、おもっている。

この話は、またいずれ。


感じたことをそのまま書くのではなく、
まずは一歩引いて観察する。

日本語の作文技術 (朝日文庫)