【からだで読む】『フォーカス・リーディング』

フォーカス・リーディング 「1冊10分」のスピードで、10倍の効果を出す いいとこどり読書術


速読のカリスマ、寺田昌嗣さんによる
読んで身につく速読の方法。

ここでの速読とは、読むはやさを上げるのではなく、
読み方をシフトすること。「なにをどう読むか」ではなく
「何を読まずにすませるか」を考えること。<<「意識すべきは、速さではなくフォーカス」>>

読書を心・技・体からとらえ、要点をつかみ目的に
あった読書を提案。

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テクニックではなく、本や読むこと、
読み手の気持ちを考えての本。

脳ではなく、身体で読む。

読む姿勢を正す、読んでいる状態を意識する、
など読む行為の周辺にあるものへ目を向ける。

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学生のころ、読書をする動機のひとつが
「これを読んだら、変わっている自分」
という期待だった。

タイトルや表紙を見ただけで、
そして本を買って持ち帰って、
家に置いておくだけで何者かになれる気がした。

読書「術」というとなにか
すごいテクニックがあって、読むのかと思う。

著者もそういう人だった。

そうして、それでは身につかないし、
本来の読書ではないと考えた。

著者の読書への理念。

「今、本当にお伝えしたいのは速読のテクニックではなく読書の本質です。
本当に支援したいのは、単なる速読術の修得ではなく、読書を通じて
成長し続けたいと思うあなたの気持ちです。」(P224)

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実行できる2つの読書方針。

1.農耕型読書

大量の情報を処理する
狩猟採集型読書の対極、
「農耕型読書」の提案。

本当にいい本を月に1冊みつける。
なんども暗記するくらい、読む。

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2.筆写

言葉力を鍛えたかったら、筆写をする。

文章トレーニングは筆写

著者は、文章力を磨くために筆写をしてた。

1.あこがれの著者、もしくは書けるようになりたい量の記事を用意する

2.下読み、重ね読みをする(表現、全体の構成を意識する)

3.黒ペンか鉛筆で原稿用紙に筆写する 
 (文章のボリュームや改行のタイミング、「てにをは」を意識する)

4.赤ペンで文章の展開を分析する (起承転結、リズムを意識する)

一冊から、自分が行動できることだけに
フォーカスして読む。

読み方のスタイルは、百人百様。

この多様な読みかたを、肯定しつつ、
自分の知的体力を上げるためには
やはり身体があってのことなのだ、
ということを思う。

基本に返って、身体に戻って読む。

その大切さに気づかせてくれる
まっとうな、読書のための本であり、
まなびのための基本形の提案。