『光の指で触れよ』池澤夏樹
【家族と仕事と世界とかかわる生き方の選択肢】
前作『すばらしい新世界』からの続き。
単独でも読める。
精神世界と経済生活からみる
「もうひとつ別の暮らし方、生き方」。
フランスのコミュニティー、風力発電、
パーマカルチャー(農業)、レイキなど
海外の生活様式と比べながら、
今の日本とこれからの方向性を考える指針を提示する。
あわせて家族のかたちの問い直す。
静かな文体で、10年先まで見越したテーマに
必要な問いを、小説で表現する。
・・・
「これから、どう生きるか」
ということを不安ではなく前向きな問いとして、
野心ではなく、静かに足下から考える人は必読の一冊。
『「豊かなる衰退」と日本の戦略―新しい経済をどうつくるか』
を思い出した。
・・・▼個人的なこと
2003年、池澤夏樹氏の欧米文学史講義で
「ブログ」を例にパーソナルメディアの
可能性を提示した。
そして2005年からライターとして
博報堂とブログの仕事で関わる。
そして2008年、この本の中にある
「あたらしいコミュニティと農業のあり方」の提示。
もうすこし先、この本に導かれた選択を
じぶんはするのだろうか。
未来の予告編的に池澤夏樹の作品があった。