真の幸福は欲望の闇や不幸の淵を通り抜けた大人にしか見つけることが出来ない
たった一行で、記憶にのこる仕事をする人がいる。
広告代理店時代、ずっとのこるコピーがあった。
「このコピーを書いた人はどういう人だろう」
書いた人は岩崎俊一さん。あとで、その名前を聞いた。
その人が本を出した。『幸福をみつめるコピー』。
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残間里江子さんが書いた帯のコメントが印象にのこる。
岩崎さんは「コピーは作るものではなく、みつけるものだ」
と言うが、人の幸福もよく似ている。この本を読むと、
真の幸福は欲望の闇や不幸の淵を通り抜けた大人にしか、
見つけることが出来ない深い境地なのだと気づかされる。
最近、「幸福」がタイトルにつく本を最近いくつか読む。
その中で、腑に落ちた定義のひとつ。
ぼくはまだ大人にとおいかもしれない。
幸福をみつめることは、
欲望の闇や不幸の淵をみつめること。
そうおもう。
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大人をめざす
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本の内容については次回。
自分に説明するために書く
以前に、じぶんのブログをプリントして
まとめて読み返したら意外とおもしろかった。
「こんなこと書くのか」と他人事のように読めた。
私は誰か他人に読ませるために書いているというよりは、
脳裏に浮かんだ星雲状態のアイディアを「自分に説明する」ために
書いているので、主たる読者は私自身である。私が本を書くのは、「私自身が読みたいなと思っている主題があるのだが、
誰も書いてくれないので、しかたなく自分で書いている」のである。
まず(未来の)じぶんが読みたいかどうか。
その内容をおもしろいと思えるか。
「だれか」に言いたいこともだいじだけれど、
それよりも「自分に」言いたいことかを問う。
本気でおもっていることは
内容以外で伝わるものがある、とおもう。
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じぶんに説明する
外からやってくる力に静かに耐えるための「強さ」
「つよさ」は10代前半からのテーマ。
『海辺のカフカ』(村上春樹)のやりとりから、
つよさの意味をまなんだ。
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主人公の田村カフカくんは14歳の少年。
佐伯さんは50代の女性。
佐伯さん「あなたはきっと強くなりたいのね。」
カフカ「強くならないと生き残っていけないんです。」
佐伯さん
「あなたはひとりぼっちだから。
でもそういう生き方にもやはり限界があるんじゃないかしら。強さを壁に自分を囲い込むこともできないし、
強さとは原理的に、より強いものに破られる。」カフカ
「強さそのものがモラルになってしまうから。僕が求めているのは、勝ったり負けたりする強さじゃないんです。
外からの力をはねつける壁がほしいわけでもない。欲しいのは、外からやってくる力を受けて、
それに耐えるための強さです。
不公平さや不運や悲しみや誤解や無理解
−そういうものごとに静かに耐えていくための強さです。」「それはたぶん、手に入れるのが
いちばんむずかしい種類の強さでしょうね。」
「外からやってくる力を受けて、それに耐えるための強さ」
ほんとうの強さ、とはなにか。
じぶんがされて「いや」なことを人にしない
というシンプルな基本。
そしてその「いや」を逃げたり、他人に渡さずに
静かに耐えること。
表面的な強さではなく、こういう強さにあこがれ、
考えさせられる。(いまもかんがえている)
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強さの意味を問う