書くときに一番大切なたった一つのこと

書くことについての気の持ちかた、
心構えを書いてみます。

書くことの「心技体」で言えば、「心」編。

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書くときにもっとも大事なことはなんだろう。

文章本、書き方本を100冊近く読んできての結論。

作文の秘訣を一言でいえば、
自分にしか書けないことを、
だれにでもわかる文章で書く
ということだけなんですね。

井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』(井上ひさし

良い文章とは、
1.自分にしか書けないことを
2.だれが読んでもわかるように書く

よくない文章とは、
1.だれでも書けることを 
2.自分だけにしかわからないように書く
ということになるだろう。
『名文を書かない文章講座』(村田喜代子

これにつきる。

では、これで今日から文章がばりばり書ける、
というわけではない。

基本ほど、シンプルで奥が深いものはない。

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「自分にしか書けないこと」は、
自己発見であり自己表現。

これが一番むずかしく、そして書くことの
魅力であり、奥深いところ。なぜならそれは、
書くプロセスの中でしかわからないから。

「だれが読んでもわかる」は文体と技術。

他者との関係のつくり方であり、
メディアとコミュニケーションの作法。

さらに言えば知性、美学、品性。

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まずは、ここが出発点です。

書くことの方向性を決めつつ、
必ずおさえてほしいこととして。


井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室 (新潮文庫)
名文を書かない文章講座