読む前に、一歩ひく。

読む時に大切なことはなんだろう?

それは、問いを持つこと。
さらには、無知と未知を知ること。

言いかえると、
「ことばにならない感覚を抱えること」
ではないだろうか。

知らないことを知り、
思いが言葉にならないもどかしさを抱く。

そういう時にこそ、言葉が響いてくる。

知識を越えた読書体験の一歩になる。

・・・

中学の塾の先生が言った
「乾いたスポンジほど、よく吸うんだよ」

・・・
そのために、
日々を少し注意深く観察する。

一歩ひいてじぶんを見る、
見方を変えて世の中を疑う。

今の渇きに目を向ける。

そこから始まる。

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他者の言葉の到来によって、
世界と自己が未聞の仕方で分節されたとき、
自分がそのような表象を理解できるとは
知らなかったような種類の表象の「使い手」
としての自分に出会う…
文学とは、このような経験のことではないのでしょうか。

いきなり読むのではなく、
読む前に少し間をおく。

なぜ、読むのだろう

なぜ、この本を手に取ったのだろう

いま、なぜこの文章を読み、書くのだろう?

と自問しつつ。

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