夕暮れ時の図書館にて


図書館で
本と窓を一日眺める

書物はその時代を生きた誰かが
声にならない歴史を文字に刻む

書店に並ばない古典がある

・・・

窓の向こうには公園で遊ぶ
子どもたちの声も聞こえる

少年時代の記憶がよみがえる

時計は持ってないし
みもしなかった

5時になる音楽と夕闇が合図

夕刻、半袖にあたる風が
冷たくなると秋を感じる

動き回ってお腹が減るから帰る

・・・

一日が自然のサイクルで過ぎる

同じ時間、同じ風景は今もある

変わったのはこちらなのだ

新たに手に入れるのではなく
取り戻したいことの断片


夕暮れ