ことばの加減


ことばかずを減らすのは

自分がほんとうに語りたい事を

あらためて考えるため。

余計なものをそぎ落とすと
相手に伝わるすきまができる。

隙と間で想像する。
いいたいことの間にある
言えないこと。

間に潜むことばのために
余地をつくり、余白をのこす。

作品は読み手に寄る。

・・・

ことばかずを増やすのは

自分がわからないことを

あらためてわかるため。

余計なものや遠回りこそ
意味を越えて文脈が宿る。

問いの量が物語を立ち上げる。

懐疑と疑問の葛藤。

わからない、という知性の表明。

長い物語は
読み手がつくる物語との
織り合いがある。

・・・

日々外からのノイズの中で
語るべきことばの
修練と収斂のために。

黙ることと語ること。

今、織り上げるもの。