現在、逃走、前進

□「ダメなら、さっさとやめなさい! ~No.1になるための成功法則~」
  セス・ゴーディン/神田昌典

引き際の大切さ。
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 「違う」と思ったら、やめる。
 「これだ!」と思ったら、どこまでも粘り抜く。

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シンプルだ。

ある経営者と話したときに
運(Luck)は、準備と努力と時機がいる。

で、実は一番大事なのが時機だと。ある種のセンス。

「運」という字。
「辶」は歩く、巡る、前に進む意味。
「車」は回転し続ける推進力。それが運。

縁と運。

・・・

やり続けろ、その先に得られるものがあると言う人は多い。

ふつう、そう言う。

だからこそ本書のメッセージは重い。

現状維持の方が妥当だし、その後のことは時間が経てば忘れる。
(時間を返せ、責任をとれとはあまり言われない、言えない)

現在から見ると将来(だいたい数年後)は責任外。
他者でなく他人であり、まさに他人事(ひとごと)。

ただし、本人にとっては一生の問題であり、
ましてや二度と帰らない学生生活や20代だったら、なおさら。

あとに責を負う想像力。

「なんにせよ、あなたは正しい」

だとしたら、なにを選ぶか。

・・・
小学校の時にいい先生がいた。
1,2年を担当した後に5,6年も担当したのだ。

自分は転校していたが、戻った時にその理由を
訪ねたら「一番の成長期に、自分が担当した子の
その後まで見続けたい。本当は受け持った生徒は
ずっとやってみたいのだけどね。」

本物だ、と思った。

学生時代、環境問題を政治で解決しづらいのは
任期の期間に解決が見えづらいことだから。

成果というと短期で出すものだという考えがある。

が、人が生きている限りは長くつきあい続ける中で
どういうものが実るかが、成果(果実が成る)。

同じスケールでガウディは自分の亡くなった後の
ことまで考えてサグラダファミリアを設計した。

さらに展開すると内村鑑三
「人が生きて何を残すか」という話にもなるがそれたので。

こういうスケール感。

少しでもスパンを長くとる。

・・・

続けるべきか、引くべきか。

この判断を他人にゆだねるとキケンだ。

やめろ、という人は実はありがたい存在。

本書もその一つ。

一方、「これだ!」と思ったら、どこまでも粘り抜く。
続けるのではなく、続くことになるかどうかは習慣。

この見定めはとても大きい。

・・・

いろんな判断基準はある。
本書で神田氏は自分のライフステージを
春夏秋冬になぞらえて、季節を見ろという。

また、それぞれの未来を想像して
メリット、デメリットをできるだけ出して
それぞれを想像しつくすという方法もある

が、最後は簡単だとおもう。

「身体が逃げろと言っている」

身体のシグナルを無視すると、
物理、精神的にも病が宿る。


あとは、

「一度は信じたものを疑えるかどうか」

だと思っている。

・・・

最後に、「企業戦士ヤマザキ」というマンガから
印象に残っていたセリフを思い出す。

「敗北はしても敗退はしない」

逃げるにしても走らないといけないし、
止めるにしても腹は減り、脈は動き続ける。

それでも人は前に歩み続けているのだと思う。

本から離れてマジに考えた。
(「それは、本気だろうか」という問いも大切)