休日的

朝起きて、部屋の片付けをしてプールへ。

ランチは久々に渋谷のパン屋「Viron」へ。
運動の後の食事はとりわけおいしい。

「食うために働く」ということがあるが、
これは稼ぎを得て、という意味ではなく
おいしいご飯を食べるために身体と頭を使いきる
という考えかたがいいのではないかと思う。
・・・
映画「Sicko」を観にいく。

渋谷で単館上映なのがもったいない。
が、いずれ広がるだろう。

国によって異なる国民保険のあり方と生活の質について。
格差ということばができて久しいが、
弱き者を助けるための政治という理想と現実を思う。

それにしてもドキュメンタリーの作り方が徹底している。

情報の撮り方、人への辺り方、監督の理念と現場感覚の
バランスは、行動力につきる。以前、ジャーナリストという
職業にあこがれていた自分はこういう姿勢をもった人を
思い描いていた。

基本的な問いはひとつ、「われわれは何者だろうか?」。

国の政策だけではなく、社会のあり方を比べる。
イギリスへ、フランスへ、キューバへ家庭に入り
どういった生活をしているのかの声を聴く。

フランスは週35時間労働だったり、
キューバの薬局では1万2千円する薬が6円だったり、
また国を問わず無料で治療する病院があったり。

世界というスケールで人が社会で生活していくことの
目線を持ち続けていること。メディアに踊らされれる情報
でなはなく、人に会い、目で見て確かめていくこと。

その姿をそのまま伝えること。

ドキュメンタリーと旅は何か似ている。

ちょうど米国でこの映画が公開されたときにCNNの
インタビューでムーア監督がこの映画で10kg痩せた。
とあった。映画の最後に「野菜とフルーツと運動を」という
メッセージがある。「不都合な真実」同様、日常への一歩を
促すメッセージはこういう時にこそ有効だとおもう。

そして、こういうものはテレビではなく映画ならでは、と思う。
予告編で流れていた「いのちの食べかた」も気になる映画。
http://www.espace-sarou.co.jp/inochi/
観よう。

・・・
青山ブックセンター本店でリオープン3周年記念
蓮實重彦講演会」に行く。ナビゲーターは永江朗
東大総長を務めた教養人のひょうひょうとした語りくちを楽しむ。

小説家と批評家それぞれの役割について論じつつ、
本屋は、わかりやすいビジネスという流れにのらない
不可解なもの(書物)を置ける重要な場所ということが印象的。

よくわからない何か、がある場所としての本屋は
ちょっとした迷路である。いい本屋、ABCにはそれがあると思う。 

他、メモ

・小説家は自由という野蛮さを、批評家は知性という土俵で勝負する。
 知性はえらくなれない。
 批評家は目に見えない記号や言葉に生をあたえること。

・私は、私について語ることを信じない。
終戦ではなく、敗戦がただしいと考える。

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表参道のナチュラルハウスで食材を買う。
とにかく身体に良さそうなものしかない。
こういう店があれば強制的にいい食生活になりそう。
だが、価格が高い。明治屋成城石井もそうだが、
国産のいいものを手に入れるなら市場価格の2〜3倍は
覚悟する必要がある。

それでも、外食よりは安いし量を求めなければ満足できる。
断食をして常々おもった量よりも質に支払うこと、を心がけよう。

夜であっても光が少ない青山は、
なにをするでもないけれどけっこう好きな街だ。
・・・
休日らしい一日。