読むことは、本にのこされた沈黙を聴くことである。
引っ越しをした。
いつも、引っ越しの度に
3000冊近くある本を10分の1にする。
これが、個人的な引っ越しの通過儀礼。
・・・
時間のなさをいいわけに、今回は
10分の7くらいにしかなってない。
そこで、少しずつ減らしはじめる。
・・・
長く本棚に残る本にはある共通点がある。
読むことは、本にのこされた
沈黙を聴くことである。
無闇なことばは、人を幸福にしない。「聴くという一つの動詞」
(『世界はうつくしいと』長田弘)
読むことは聴くこと。
沈黙が聞こえてくる本は、自然と長く残る。
それは、長い時間を経た本であり、
言葉のむこうに語る人の静かな声や間が
聞こえてくるような本。
沈黙が聞こえなくなったら、
時間のながれがはやくなりすぎたら
今、なにかをまちえがてる
と、おもうことにしている。
▼
静かな本を読む